このページの要点
- 大きな違いは照明回路の行き先。ON/OFF・位相・PWM 器具の 100V は制御盤を経由し、DALI 器具の 100V は分電盤から直接配線する
- 信号線の配線と制御盤という盤が加わる。制御盤には独立した 100V 回路が必要
- 回路の分け方・配線仕様は設計側が図面で示し、プログラムと試運転はインテグレーターが担当する
比較表:通常の住宅 と Luxury SmartHome
以下は Lutron HomeWorks の照明制御を採用した場合の比較です。
| 項目 | 通常の住宅 | Luxury SmartHome(Lutron HomeWorks の場合) |
|---|---|---|
| 照明回路の行き先 | 分電盤から、壁スイッチを介して照明器具へ | ON/OFF・位相制御・PWM 器具の 100V は、必ず Lutron 制御盤を経由して器具へ。 DALI 器具の 100V は制御盤を経由せず、分電盤から直接器具へ |
| 信号線 | 基本的になし | DALI 信号線(CPEV-S 1.2φ、極性なし)を制御盤から DALI 器具へ。 PWM 信号線(2芯)を制御盤から PWM 器具の回路へ |
| 盤 | 分電盤 | 分電盤に加えて Lutron 制御盤が増える。制御盤には分電盤から独立した 100V 回路が必要 |
| 回路の分け方 | 部屋・用途ごとに電気設計で決める | 位相制御・ON/OFF・PWM は 「1回路 = 1制御単位」。どの器具を1回路にまとめるかは照明デザイナーの回路分割計画で決まり、電気設備設計者の図面に反映される |
| 設定・調整 | 配線・器具取付後、点灯確認 | 電気工事業者の絶縁・導通試験のあと、インテグレーターがプロセッサへのプログラム書込み・動作確認・シーン微調整を行う |
| 図面の出どころ | 電気設備の設計図 | 電気設備設計者から:分電盤構成図、DALI 系統分岐図、配線ルート図、VVF 仕様書 インテグレーターから:システム系統図、制御盤機器構成図 |
それぞれの詳細は、次のページで説明しています。
- 100V と信号線の経路 → 系統の考え方
- 独立回路と DALI 信号線のルール → 配線ルール
- 制御盤の設置場所・電源 → 制御盤の設置と電源
- 誰が仕様を出し、誰が施工するか → 工事区分と施工の流れ
なぜ「1回路 = 1制御単位」が重要なのか
位相制御・ON/OFF・PWM は、配線の本数でしか制御単位を分けられない方式です。たとえば「リビングのダウンライト4台のうち、奥の2台だけ別に調光したい」という要望は、奥の2台が別回路で配線されていなければ実現できません。
このため、通常の住宅の感覚で「同じ部屋だから1回路にまとめる」という判断を現場で行うと、設計された制御ができなくなります。回路のまとめ方は必ず図面どおりとし、現場で変更が必要になった場合は、施工前に設計側・インテグレーターへ共有してください。施工開始後の制御単位の変更は、配線のやり直しになります。
一方、DALI 器具は信号のアドレス単位で制御するため、制御単位ごとに回路を分ける必要がありません。
変わらないこと
- 工事の中身 ― VVF の配線、盤の設置と一次側電源の接続、絶縁・導通試験。作業そのものは通常の電気工事と同じです
- 設計図書に従って施工するという立場 ― 分電盤構成、配線ルート、VVF 仕様(サイズ・芯数)、DALI 系統の分け方は、電気設備設計者が設計します。電気工事業者が独自に判断する必要はありません
- システムの知識は必須ではない ― Lutron HomeWorks のプログラミングや設定は、すべてインテグレーターが行います
押さえるのは2つだけ
通常の住宅との違いとして現場で押さえていただきたいのは、「100V と信号線の系統」と「配線ルール」の2つです。それ以外は、これまでの経験がそのまま活かせます。