このページの要点
- 制御盤の電源は必ず独立回路。DALI 器具の 100V は制御盤を経由しない
- DALI 信号線を1本でつなぎ切るのは不可。直列 20台未満で並列分岐する
- VVF 仕様や回路の分け方は電気設備設計者の図面に従う。インテグレーターや現場の判断で決めるものではない
よくある質問
Q. Lutron 制御盤の電源は、近くの照明回路やコンセント回路から取ってもよいですか?
できません。必ず分電盤から独立回路を引きます。共用すると、ノイズや電圧変動の影響で誤動作の原因になります。
独立回路の必要性はインテグレーターから電気設備設計者へ共有され、電気設備設計者が分電盤構成を設計します。電気工事業者は、その図面に従って施工してください。→ 制御盤の設置と電源
Q. DALI 器具の 100V 電源も、Lutron 制御盤を経由させるのですか?
経由しません。DALI 器具の 100V 電源は、分電盤から直接配線します(電気設備設計者の設計のもと、電気工事業者が施工)。Lutron 制御盤から DALI 器具へ接続するのは、DALI 信号線のみです。
制御盤を経由するのは、ON/OFF・位相制御・PWM 器具の 100V です。→ 系統の考え方
Q. DALI 器具を全部1本の信号線でつなげば配線が楽ですが、ダメですか?
ダメです。直列で 20台以上つなぐと、内部抵抗が累積して信号が正しく伝わらなくなるため、必ず並列分岐します。分岐位置は配線経路上の任意の場所でかまいません(中継ボックス・天井裏など)。
並列分岐の設計(どの器具をまとめ、どこで分岐するか)は電気設備設計者が行い、物理施工は電気工事業者が行います。→ 配線ルール
Q. 図面にある「1回路 = 1制御単位」とは、どういう意味ですか? 同じ部屋の器具を1回路にまとめてはいけませんか?
位相制御は、配線の本数でしか制御単位を分けられない方式です。「リビングのダウンライト4台のうち、奥の2台だけ別に調光したい」という場合、奥の2台だけ別回路で配線されていなければ実現できません。
このため、意図する制御単位ごとに回路を分けて配線する必要があります。どう分けるかは照明デザイナーが回路分割計画として決め、電気設備設計者がそれを受けて分電盤から制御盤への回路割り当てを設計しています。同じ部屋であっても、現場判断で回路をまとめないでください。ON/OFF・PWM も同じ考え方です。
Q. VVF の仕様(サイズ・芯数)は、インテグレーターから指定されますか?
いいえ、電気設備設計者が電気的に判断します。インテグレーターからは Lutron 制御盤の機器構成・出力モジュール仕様が提示され、電気設備設計者がそれをもとに必要回路数・想定負荷・VVF 仕様を決定します。電気工事業者は、その VVF 仕様書に従って施工します。
Q. Lutron システムが故障したら、照明は操作できなくなりますか?
停電から復旧すると、プロセッサは自動で再起動して通常動作に戻ります。一方、プロセッサの故障時など、システムが動作していない状況では、分電盤のブレーカ単位でしか ON/OFF ができない状態になります。
このため分電盤の回路分割は、「Lutron が使えなくても最低限の生活照明が成立する単位」で計画されています。電気設備設計者がこの観点を分電盤構成に組み込んでいますので、分電盤構成図どおりに施工してください。→ 制御盤の設置と電源
Q. 「電気設備設計者」と「電気工事業者」は、どう違うのですか?
電気設備設計者は、分電盤構成・配線ルート・VVF 仕様・DALI 系統分割などを「設計」する立場です。電気工事業者は、その設計図書に従って実際の配線・盤設置・試験を「施工」する立場です。
設計側の4者(建築設計者・照明デザイナー・インテグレーター・電気設備設計者)の役割は、4者の役割分担 にまとめています。
Q. プログラムの設定やシーンの調整も、電気工事業者が行うのですか?
行いません。プロセッサへのプログラム書込み、動作確認、シーン微調整は、すべてインテグレーターが行います。電気工事業者の範囲は、配線、制御盤の物理設置と一次側電源接続、絶縁・導通試験です。→ 工事区分と施工の流れ
キーパッドの通信線配線、電動シェードの電源・通信線、見積にあたっての確認事項など、個別の現場についてはお問い合わせください。
用語集
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| Lutron HomeWorks | Lutron Electronics 社(米国)の住宅向けハイエンド照明制御システム |
| 制御盤 | Lutron HomeWorks のプロセッサ・出力モジュールを収納する盤。住宅の電気室や納戸などに設置 |
| DALI | Digital Addressable Lighting Interface。照明制御専用のデジタル通信規格 |
| 位相制御 | 交流波形の位相を制御して調光する方式 |
| PWM | Pulse Width Modulation。パルス幅で調光する方式 |
| キーパッド | 複数のシーンボタンを持つ壁付け操作器 |
| シーン | 複数器具の調光レベル・ON/OFF 状態を1つにまとめた照明設定。ボタン1押下で呼び出せる |
| プロセッサ | Lutron HomeWorks システムの中核制御装置。プログラムを格納し、シーン実行を司る |
| 出力モジュール | 制御盤内で各回路の ON/OFF・調光を物理的に実行するモジュール |
| CPEV-S | 通信用ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル。DALI 信号線として使用(1.2φ、極性なし) |
| インテグレーター | Lutron HomeWorks のシステム設計、制御盤設計、プログラミング実装、試運転・コミッショニングを担う専門業者 |
| コミッショニング | 試運転調整。プログラム書込み、動作確認、シーン微調整を行う工程 |
| 電気設備設計者 | 分電盤構成・配線ルート・VVF 仕様・DALI 系統分割などを設計する立場 |
| 電気工事業者 | 設計図書に従って、配線・盤設置・絶縁/導通試験を実際に施工する立場 |