このページの要点
- 概算予算は企画〜基本設計初期に把握しておく。この段階の概算提示・ご相談は無償
- 金額を大きく左右するのは調光方式(DALI が最も低コスト)と連動範囲
- 概算はプロジェクトごとにお出しする。ラフプランの段階で相談できる
なぜ早い段階で概算を把握するのか
スマートホームの費用は、オーナーの要望をうかがってからシステム規模を検討して、初めて見えてきます。実施設計が進んでから予算と合わないことが分かると、スコープの見直しが配線・分電盤・意匠の再検討につながり、工期とコストの両方に影響します。
インテグレーターを企画〜基本設計初期に巻き込めば、概算予算を早期に把握でき、オーナーの要望を踏まえたシステム規模をご提案できます。
- 企画・基本構想:プロジェクト概要とラフプランをもとに、システム規模感と概算コストのレンジをお伝えします
- 基本設計:配灯計画と器具リストをもとに、システム概算とコスト試算を精緻化します
企画〜基本設計初期の概算提示・ご相談は無償です。正式な設計フェーズに入った段階で、見積・契約となります。
概算はプロジェクトごとにお出しします
同じ延床面積でも、照明器具の数と調光方式、シェードを付ける窓の数、連動させる設備の範囲によって、費用は大きく変わります。このため、規模だけを基準にした一律の目安ではなく、プロジェクトの概要をうかがったうえで概算をお出ししています。ラフプランの段階で構いませんので、お問い合わせ ください。
金額を左右する要因
照明器具数と調光方式
制御する器具の数に加えて、どの調光方式を選ぶかがコストに影響します。
| 方式 | コスト | 理由 |
|---|---|---|
| DALI | 最も低い | 1本の信号線で最大64台まで個別に制御でき、制御単位ごとに回路を分ける必要がない。分電盤の回路数と、制御盤の出力モジュール数を減らせる |
| 位相制御・ON/OFF | 中 | 「1回路 = 1制御単位」。制御単位の数だけ、制御盤からの回路と出力が必要になる |
| PWM | 高 | 「1回路 = 1制御単位」に加えて、VVF とは別に PWM 信号線2芯の配線が必要。性能・施工の手間・コストの3点から、できるだけ避けたい方式 |
詳しくは 照明設計の注意点 をご覧ください。
回路数と制御盤の大きさ
位相・PWM・ON/OFF の器具は、個別に制御したい単位ごとに回路を分けます。回路が増えるほど出力モジュールが増え、制御盤が大きくなります。制御盤が大きくなれば、設置場所(電気室・納戸)の確保にも影響します。
キーパッドの数と仕上げ
キーパッドの台数と、選ぶ仕上げによって変わります。配置とボタン割付は、照明デザイナーが建築設計者と協議のうえ決定します。
シェードの窓数
電動シェード・カーテンは、制御する窓の数に応じて変わります。
連動範囲
空調・床暖房・換気・AV など、連動させる設備を増やすほど、初期コストが大きく増え、構成の複雑化に伴う不具合リスクと、引渡し後の保守費用も増えます(照明以外の連動)。
将来拡張への備え
新築時に、将来のリフォーム・増築での拡張可能性を見越した構成にしておくこともできます。その場合、初期コストは上がります。
コストを抑える設計上の工夫
DALI を第一選択にする
対応器具がある場合は DALI を選びます。分電盤の回路数と制御盤の出力モジュール数が減り、制御盤もコンパクトになります。後からのグループ変更も、配線変更なしでプログラム変更だけで対応できます。
ON/OFF だけのエリアも DALI 器具にする
ON/OFF しか行わないエリアでも、DALI 対応器具を使えば ON/OFF 制御用の出力モジュールが不要になり、コスト削減になります。
スマートホームに組み込まない器具を切り分ける
人感センサー単独で完結する器具など、システムに組み込む必要のないものは組み込みません。この判断は照明デザイナーが行います。
基本セットから段階的に広げる
照明+シェード+空調を基本セットとし、それ以外の連動は、オーナーの優先度(必須/あれば嬉しい/将来拡張)と予算枠を踏まえて段階的に判断します。
費用の内訳の考え方
インテグレーターの費用は、おおむね次の項目で構成されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機器費 | プロセッサ、出力モジュール、キーパッド、センサー、シェードなど |
| 制御盤製作 | 制御盤の設計と製作 |
| 設計・プログラミング | システム設計、シーン・ボタン動作・タイムイベント・センサー連動の実装 |
| 試運転調整 | 現地でのコミッショニング、オーナー立会いでのシーン微調整 |
| 保守 | 引渡し後の不具合対応、シーン変更への対応(保守契約) |
電気工事(配線の施工、制御盤の現地据付など)と照明器具の費用は、一般にインテグレーターの見積には含まれません。見積の範囲は、プロジェクトごとにご確認ください。
インテグレーターを複数比較される場合は、担当者との相性を確認することを重視いただき、見積提出などの実作業の前に1社に決定いただきたく存じます。企画・基本構想の段階であっても、概算見積を算出するには、プロジェクトを理解しシステム構成を検討する作業が発生するためです。